「フジロック」の取り組みと社会的ムーブメントとの関わり アトミック・カフェ40周年、NEW POWER GEAR Field / Gypsy Avalonにて開催
1997年の初開催以来、フジロックは「自然との共生」をかかげ、自然環境や社会の課題を考えるキッカケを提供してきました。
環境・平和・人権などのNGO団体によるステージアピールや、NGOヴィレッジの開設など、さまざまな社会的活動を紹介する環境を整えメッセージを発信すると共に、会場内におけるバイオディーゼル燃料や太陽光発電などのクリーンエネルギーの導入・実践を通じて、エネルギー転換をアピールし、自然との共生を目指してきました。
2011年の東京電力福島第一原発の事故を受けて、フジロックは、80年代から継承される反核・脱原発イベント「アトミック・カフェ」に会場内のNGOヴィレッジ、Gypsy Avalonステージの一部を提供し、「社会の課題」を考えるムーブメントを応援しています。
2025年のアトミック・カフェについて
今年も、Gypsy Avalonにて、3日間それぞれのテーマでトークとライブを行います。
7/25(金) |
テーマ:原発と災害2024年1月1日、石川県珠洲市を震源とした地震が発生しました。その珠洲市では、以前、関西電力・中部電力・北陸電力が珠洲原発の建設を計画していました。地元住民を中心とした根強い反対運動の末、計画は2003年に撤回されましたが、もしも計画が進んでいたら、大きな事故につながっていたかもしれません。 初日のアトミック・カフェは、『原発がやってくる町』『バッドドリーム』『男と女のむかし話』などの著者であり、珠洲市の原発反対運動にも関わったルポルタージュライター・作家の落合誓子さんを招き、「原発と災害」をテーマにトークを行います。ライブにはa flood of circleの佐々木亮介さんが登場します。
|
---|---|
7/26(土) |
テーマ:民主主義と自治地方自治は民主主義の基盤であり、また、地方自治は地域住民の意見を最も反映させやすい場であり、地方自治への参加を通じて住民が民主主義の在り方を学ぶという「民主主義の学校」であると言われています。 2日目は、地方自治の最前線で活躍している、杉並区の岸本聡子区長を招き「民主主義と自治」についてトークを行います。ライブにはシンガーソングライター/ポエトリーラッパー/プロデューサーの春ねむりさんが登場します。
|
7/27(日) |
テーマ:世界情勢と核3日目はジャーナリストの青木理さんをお招きして、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ・イスラエル問題、インド・パキスタン問題、トランプ政権の動きなど、今、世界で起こっている様々な事象にスポットを当てながら、そこに潜む核の問題や今後の世界情勢を見据えたトークを行います。 ライブには、京都在住のシンガーソングライターで、原発問題・沖縄の基地建設問題など、市民運動にもコミットしながら、平和のメッセージを込めた歌を届けている川口真由美さんとサックス・プレイヤーのMONKYさんが登場。川口真由美さんはトークにも出演します。
|
総合MCは津田大介さん、ジョー横溝さんが担当。3日間トークステージに登場します。
The Atomic Café
1957年、イギリスで核軍縮キャンペーン(CND)が設立され、鳥の足を模したようなピースマークが反核のシンボルとして使用されるようになる。その後1979年にジャクソン・ブラウンやブルース・スプリングスティーンが出演したNO NUKES(反核・反原子力)を掲げたコンサートが行われ、80年代には英・グラストンベリーフェスティバルのステージにシンボルのピースマークが掲げられたり、核や原子力についてのプロパガンダ映像を集めた映画『アトミック・カフェ』が全米で公開されるなど、世界的に反核・反原子力への意識が高まる。
そんな中日本でも 1984年に音楽業界の有志が集まって反核コンサート「The Atomic Cafe Festival」を日比谷野音で行った。核や原発の問題をもっと知ってもらおうと浜田省吾、尾崎豊らが出演した。
その2年後の1986年、チェルノブイリで大きな原発事故が起こり、コンサートだけではなく原発が抱えるリスクを伝えるトークイベントも開催するようになる。
その後、The Atomic Caféは一旦活動を休止するものの、2011年にフジロックで復活。以降、毎年Gypsy Avalonにて脱原発、エネルギーシフトの問題を中心に、環境や平和など様々な社会の課題にコミットしたトークとライブイベントを開催している。